令和2年から3か年かけて行われた，函館ハリストス正教会の保存修理記録映像上映・解説会を行いました。映像には，～より美しく歴史を重ねるために～というサブタイトルがついています。

昨年開催した公会堂の保存修理記録映像上映・解説会の時と同様に，函館市教育委員会文化財課学芸員の野村さんが解説をしてくださいました。

上映の前に，公会堂を含めて西部地区がどのように変化していったかを詳しく教えていただきました。函館は特徴的な地形と強い浜風が相まって幾度もの大火に見舞われ，耐火建造物が多く建てられたこと，また，旧函館区公会堂と函館ハリストス正教会は同じような歴史を辿っており，1910（明治40）年の大火によって，公会堂はその前身である町会所，ハリストス正教会はその前身である初代聖堂が焼失したことなど，古写真を交えながらの詳しい解説ののち，７０分ほどの保存修理記録映像のスタートです。高い技術を持った職人たちが保存修理を行う様子を皆さん真剣に見ていました。

重要文化財は定期的に保存修理を行いながら活用をしていくもので，このように映像記録として残しておくことが大切な事なのだそうです。今回の映像記録がまた何十年後に行われるであろう保存修理の際に役立つとよいですね。　上映後には質疑応答の時間を設け，２時間弱の会が終了しました。

工事に携わった方々への思いも馳せながら改めて教会に見学に訪れたい，職人技を見れて良かった，大変な作業で文化財が保たれていることを知れて良かった。などとたくさんの感想をいただきました。ご参加いただいた皆様，そして講師の野村さん，このたびはありがとうございました。